神生み①
速秋津日子神・速秋津比売神の子神たち
この二柱の間には水に関する神々が生まれました。
- 沫那芸神(あわなぎのかみ):「沫(あわ)」=水面の泡。
- 沫那美神(あわなみのかみ):沫那芸神と対になる女神。
- 頬那芸神(つらなぎのかみ):「頬(つら)」は「面(つら)」=水面の意。
- 頬那美神(つらなみのかみ):頬那芸神と対になる女神。
- 天之水分神(あめのみくまりのかみ):
「水分(みくまり)」は水の配分・分配の意。
天(空)からの水=雨・天水の配分を司る神。 - 国之水分神(くにのみくまりのかみ):
天之水分神と対をなし、地上における湧水や地下水、河川の分配を司る神。 - 天之久比奢母智神(あめのくひざもちのかみ):
天の水をくみ上げて蓄え、必要に応じて分け与える神です。
名前には「水を汲み、持ち、分ける」という意味があり、
瓢(ひさご)=水を入れる器のように、水の調整役を果たす存在とされています。 - 国之久比奢母智神(くにのくひざもちのかみ):
地上の水を蓄え、調整して分け与える神です。
天之久比奢母智神と対になる存在。
神生み②
大山津見神と鹿屋野比売神の子神たち
この二柱の間には、以下の四対八柱の神々が生まれました。
- 天之狭土神(あめのさづちのかみ)
- 国之狭土神(くにのさづちのかみ)
→「狭土(さづち)」は狭い土地、限定的な土壌の意味。
→ 山野の土や小さな土地を司る神々。 - 天之狭霧神(あめのさぎりのかみ)
- 国之狭霧神(くにのさぎりのかみ)
→「狭霧(さぎり)」はたなびく霧や薄い霞。
→ 山間や野に立ちこめる霧・霞を象徴する神々。 - 天之闇戸神(あめのくらどのかみ)
- 国之闇戸神(くにのくらどのかみ)
→「闇戸(くらど)」は暗い入り口や洞窟の戸口。
→ 山野の暗い谷間や洞窟を司る神々。 - 大戸惑子神(おおとまといこのかみ)
- 大戸惑女神(おおとまといめのかみ)
→「大戸(おおと)」は大きな出入り口、「惑(まとい)」は迷いや戸惑いを意味。
→ 大きな出入口や境界における移行の不安定さやゆらぎを象徴する神々。
神生み③
迦具土神の身体から生まれた神々
- 頭部から:正鹿山津見神(まさかやまつみのかみ)
- 胸から:淤縢山津見神(おどやまつみのかみ)
- 腹から:奥山津見神(おくやまつみのかみ)
- 陰部から:闇山津見神(くらやまつみのかみ)
- 左手から:志藝山津見神(しぎやまつみのかみ)
- 右手から:羽山津見神(はやまつみのかみ)
- 左足から:原山津見神(はらやまつみのかみ)
- 右足から:戸山津見神(とやまつみのかみ)
これらの八柱はすべて「山津見神(やまつみのかみ)」であり、日本各地の山や自然の霊力を象徴する神々です。